棺に何か入れてくださいと言われましたが、何もありません。かわいいものが好きだったから縫いぐるみでもと思いましたがNGでした。
本にしようかな、と本棚を眺めこの2冊をチョイス。
私が動物のお医者さんにハマったとき、なぜか全人格を否定するレベルでボロカス言われました。数年後はママンもしっかりハマったのですが。
「動物のお医者さん」の思い出
愛を乞う人はね、ママンこそが愛情乞食だったよね、と思いつつ。
本は厚みがあるから燃えないかもしれないということで、棺の中ではなく外に置かされました。
仏事を担当してくれたお坊さんから「これは何の意味があるんや?」と尋ねられましたが、笑ってごまかしました。
炉の扉が閉められるとき、最後に目にしたのは「愛を乞う人」でした。
お互い愛情乞食だったよね。やっと卒業できるよ。クレクレおばけを。
というわけで(どういう?)ママン亡き後の私の変化、お酒が減ったこと、そして本がなくてもゴハンが食べれるようになったのです。
本がないと食べられない
これは実に新鮮な感覚でした。本がないと食べることに集中できる。食べ物の味がわかるのですよ。
そして本の見え方も変わりました。本とはママンと一緒にゴハンを食べるために必要なものだった。読まなきゃいけないものだった。
その”ねばならない”が外れたのか、テキストが臓腑に沁み渡る感がありました。
私はありとあらゆることを”ねばならない”動機としてやっていたのだなあ。
しばらくは”ねばならない”感を醸し出すものは一切手をつけないでおこうと決意。
そうすると不思議なことに、”やらなくてはいけない”と思っていたものが実はやりたかったのだと気づくことができたのです。
これでやっと長年の「やる気起きない病」を克服することができるか、と気持ちが上がったのですが。
が。
続きます。