自分の知的障害と向き合えず[読売新聞人生案内]

主旨)人生案内をネタに好き勝手書く

50代パート女性。知的障害があります。優しい母、兄と暮らしています。

子どもの頃からのろまとさげすまれ、親から「あなたは皆と違う」と言われて育ちました。中学ではいじめられて不登校に。30代で働き始めましたが、何をやってもうまくいきません。

40代で軽度の知的障害と診断され、大きなショックを受けました。今は、障害者雇用の枠で工場勤務です。自分の能力ギリギリの仕事で、毎日疲れ果てています。

職場は健常者ばかり。仕事が遅い私には、同僚が五輪選手か天才に思えます。支援してくれる方や母は、「大丈夫ですよ」「障害があるのだから気にしなくていい」と言ってくれますが、人より劣っているという意識が幼少期から染みついているので、考えを改められません。

休日は好きな読書をして過ごしています。自分の障害と向き合えない私は、この先どう生きていけばよいですか。(千葉・P子)

こんにちは
あなたの罪悪感を消滅させる
ヨシヨシする人ヨシヨシスト
いまぷ です。

P子さんが本を読んで豊かな時間を過ごされている光景が目に浮かぶようです。

ステキな宝物をお持ちですね。

ボクシングや相撲で例えるならわかりやすいですが、ミドル級とか小結とかってあるように、同じ土俵に立たせてはバランスがとれないものがあります。

100キロの重さのものを軽々と運べる人と、そうでない人が同じ力自慢の土俵に立ってはいけないのです。

病名がつく、ということは、その人の力のほどを客観性のある基準にのっとったものにするということ。

早くから自分の力の程がわかっていたら、違う土俵で無理をせずに済んだかもしれないですね。

診断名が付くことのメリットは、要らぬ無理をしなくて済む、自分が適切に力を発揮できる土俵がわかることでしょう。

しかし長年力自慢の方々の中で、自分に力がないことを見せつけられるばかりの日々は気持ちがしんどかったですよね。

まずは頑張ってこられたご自分をねぎらって。

土俵違いの相手と戦い続けてこられたご自身に最上級の称賛を。

自分で自分を認めろ、とは難しいことです。

どうすれば自分の障害と向き合うことができるか、そうも真摯にご自分と向き合っていらっしゃるP子さんには、何を言っても気休めにしかならないのではないかと、テキストを綴ることに臆しております。

私は軽々しく「頑張れ」と言えないタチなので、これまでよくぞ折ずにご自分を保ってこられたなあ、と、そのことに感嘆するのみです。

自分にできないことは、他者にすることによって自分がしたと同じになる、これは原則です。

自分で自分を認められなかったら、自分以外の人を認める。

よく頑張ってきたね、と。

自分と比べるのではなくて。

ほんのいっときでも自分から目を逸らして、他者に目を向ける。

他者の頑張りや善意に目を向ける。

P子を支えて関わり続けてくれた人たちに。

好きなものがある人に。

大切な存在のために力を尽くしている人たちに。

持っている力をただ発揮しているだけの人たちに。

持っていなものに目を向ける前に、まずは持っているものの徹底有効利用を。

回答は大野裕(精神科医さんです。

本を読んで休日を過ごせるのもあなたの得意分野です。これは、あなたが足を踏み出したからできた世界です。ぜひこうした得意分野を大切にして、あなたらしい人生を送ってください。

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