最終章:絶縁

これは絶縁テープ。

これは絶縁テープ。

みなさんご存知のように(知らんか)、私は親とひとつ屋根の下に住んだことがなく、
小さい頃はあちこちを転々としていたわけですが、どの家にも暴力がありました。
で、暴力よりさらに困ったことに、性的なトラブルもあったのですよね。
まー、そういう対象として扱われる、といったことです。

よくさ、強姦された女性に対して、どうして抵抗しなかったんだ、とか、
なんで大声出さなかったんだ、って非難がありますが、ほんとに怖いと声なんてあげられないですよ。
性的なことにまつわるこの怖さは、男性には絶対にわかってもらえないんじゃないかな。

ごく小さい頃は性の知識がないから、自分が何をされたかわかんないですよね。
で、大きくなって事の真相を知ってから、私はなんてことしちゃったんだ!となるのです。
ここがポイント、何をされちゃったか、ではなくて、何をしてしまったんだ、とあくまで自分を責めるのです。

これ、性的被害の特徴ですよね、ひたすらそんな目にあってしまった自分を責めてしまう、汚れてしまった。
そうしてしまった相手を恨むだけのパワーないんですよ。
そ、相手を責めるってパワーいるよね、自分を責めたほうが楽だもん。

加害者を恨むのではなく、そんな目にあってしまった自分を責めてしまう、最たるケースです。

もちろん私も、何があったかなんて誰にも言えませんでした。
一番最初に声をあげたのは何年前のことだったか、母との軋轢がひどくなった時でした。
実は私、こんな目に遭ってたのよ、とかなり遠回しに伝えたのです。

遠回しすぎたか、まったくスルーされました。

加害者(と言い切ってしまおう)の1人(つまり複数いた)がですね、
母にヨコシマな気持ちを抱いていることは子どもながらに感じていました。
私って絶対に母の身代わりだよな、と。彼が私を見る視線の向こうには、母が居ましたよ。
彼は私を通して母を見ていたのです。

墓場まで持っていかなくてはいけない事がある、と言ったとき、
ああ、母も「そういう目」にあったんだな、と気づきました。
なので、それ以上は言えなくなりました。

次に声を発したのも、やはり母との衝突がひどくなった時。前回よりかなりあからさまに書いたつもりでした。
したらば、何きもち悪いこと書くがいね(富山弁)と言われました。
いや、これ、ほんまやし、と言ったけど、なんか母の反応に隔靴掻痒なものがありました。
また、わかってくれなかったのかなー、と。

そして、今回です。ウチで修羅場してた時に正常心がふっとんでしまいました。

私:どんな目に遭ってたか、何回も言ったやろ!!

母:なによ

私:気持ち悪いこと書くな、って言ったやろ!!

母:なんのことね(富山弁

え、ほんと気づいてなかったのか?はっきり言わないとわからないのか?

私:性的対象として扱われていました(原文ママ

母:レイプされたがけ?(原文ママ

私:最後まではされんかったけど

母:なら、よかったがいね

ここでキレました。なら、よかった、ってどういうこと?それがそんな目にあった娘に言う台詞か?と。

母:私は必死で抵抗したもん

と、ついに母の口からその事実が話されました。

母:抵抗したから、最後までされずに済んだもん

んー、何が言いたいのかわからん。

私:あんた(すでに、あんた呼ばわり状態)もそんな目に遭ってるってわかってたから、私も言えんかったんや!!

母:言ってたらよかったのに

私:なんで??

母:そしたら向こうは離婚しとったやろ、私だって最後までされてたら黙っとらんだわ

私:最後までされてたらよかった、ってこと??

母:レイプされてたらよかったんや、あんた

心が折れました。彼女の理屈がまったく理解できません。
レイプという言葉だけでもたいがいダメージなのに、レイプされてたらよかった、って。

私:その台詞、絶対に許さないからね!!!!

と、わめき散らす私を後にして捨て台詞はいて母は出て行きました。

次の日も会いました。
冷静になって、いかに寂しかったか、甘えたかったか、ということを訴えたつもりでしたが、
私だってひどい目にあってたもん、私だって我慢してたもん、と繰り返すばかりです。

で、昨日も会いました。
駅に送り届けにいったのですが、名人芸の嫌みが炸裂してですね、とても平常心を保てなくなりました。
で、蒸し返しです。

私:よく自分の娘にレイプされたらよかったのに、とか言えたよな

母:レイプされてたら、違う人生の進み方があったかもしれん、っていう意味や

ぼっきり。完璧に心が折れましたよ。
意味わからん、レイプされてたら(もっといい)違う人生ってどういうこと?

公共の場ですので、言い争うこともできません。しかし、もう終わりました。
売り言葉に買い言葉の応酬をいくつかして、2度と富山に来るな、もう一切富山にかかわるな、
あんたなんか富山の人間から相手にされんわ、私がどんなふうに死んだとか後から聞かされても驚くな、と。

どうせ私はレイプされたらよかった子だから、と言い捨てて踵を返しました。

これが母との今生の別れとなるのかもしれません。

私が欲しかったのはただ一言、「そんな目」に遭ってしまったことに対して、
イヤだったね、とでも言ってくれたらよかったのです。
でも彼女の口からは最後までそれは出て来ませんでした、
出て来たのは、私も同じ目に遭ったから、だけです。

欲しかったものは、とうとう手に入りませんでした。

さ、長かったような短かったような愛情乞食のお話はこれにて終了。
乙気合い(BYことえり)くださってありがとうございます。

もっかい書きます。
おかあさんから傷つけられてしまった人、私はどこの誰よりもあなたの気持ちに寄り添えるという自信があります。
私が欲しかったヨシヨシをあなたにさせてください。あなたをヨシヨシさせてください。

そう、私は自分が欲しかったものを人に提供することによって救われるのでしょう。
自分が救われるために人を救う、って最悪のパターンですよね。

でも、ヨシヨシしたいよ。してあげたいよ。あなたの欲しかったもの、あげたいよ。

長い旅がひとつ終わって、新たな旅がまた始まった、って感じです。ヨシヨシするぞ。し続けるぞ。

最後までお読みくださりありがとうございました✨
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