60代女性 家族との記憶が薄い[読売新聞人生案内/20230303分]

60代の女性。夫は亡くなり、パートをしながら暮らしています。自分の記憶が薄いことにだいぶ前から悩んでいます。

・幼い頃、学生時代、夫との日々、子育てのこと、その都度一生懸命生きてきたつもり
・楽しかったこともたくさんあったはずなのに、覚えているのはほんのわずか
・日記は欠かさずつけていて読み返すと少しは思い出す
・亡夫はいろんな思い出を懐かしげに語ってくれたが私は覚えておらず申し訳なく思っていた
・娘と出かけた数ヶ月前のことも覚えていない
・おしゃべりは好きだが同年代の友人の昔の話に加われない

年齢のせいというより、もともとあまり記憶力がないようで、不安です。脳の異常か、精神的な病気なのか。どうしたらよいのか、ご教示いただきたいです。(北海道・D子)

こんにちは
あなたの罪悪感を消滅させる
ヨシヨシする人ヨシヨシスト
いまぷ です。

日常生活に支障はないようで、何かの疾患のようには感じられません。

相談者さんの不安を呼び起こすのはひょっとして、他者との共有ができていないことではないでしょうか?

同じ体験をしたとしても、印象に残る強さは人それぞれ。

他者が熱く語る思い出が、その方と同じ強さで刻み込まれていないだけなのかもしれませんよ。

今日は易に尋ねてみます。

山火賁の2爻、自分の力は足りなくとも才能豊かな人に従うことで完成させることができる

未来を示す之卦は山天大畜、先に進むことばかりを考えるのではなく、わざわざ足を止めて力を蓄えることが必要なことがわかっている

解決策を示す互卦は雷水解、難から脱しようと努力したことが功を奏してくる

卦を参考にいまぷならこう答える

楽しそうに語られる思い出、それに「そう、そう、そうだったわね」と加われないのは寂しいかもですね。

でも、相談者さんが自分の記憶のメモリにわざわざ入れなくても、他の人がそれを保存してくれている。

そしてそれを時々引っ張り出して相談者さんに見せてくれる。

これはとても素敵なプレゼントではないでしょうか。

思い出を語ってくれる方の中にいつも相談者さんがいる。

相談者さんが相手を思うより、お相手の方が相談者さんを思ってくれているということ。

大切な思い出として残してくださっているということ。

思い出させてもらえる機会がそれこそ忘れた頃にやってくるというのも、とても素晴らしいギフトではないですか。

回答は海原 純子(心療内科医)さんです。

思い出をキープするために、例えば、夜ねる前、その日あったいいこと、楽しかったこと、誰かにしてもらった親切を三つ思い出して、心の中で再生してみてはいかがでしょう。楽しいことをもう一度心に思い浮かべてみると、じんわりと幸せ感がよみがえるものです。そうした習慣の積み重ねで思い出をスパイスにして思い出の香りを楽しんではいかがでしょう。

現在に注力しているがゆえに、過去や未来を見返している余地がないのかもですよ。それこそが一生懸命に生きていらっしゃるということですよね。

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