って、ボーヴォワールの真似っこですけどね。
本日のテキスト。
現在は日本をロバとともに旅されている高田さん。
田んぼの持ち主の許可を得て、立派に育った二番穂を食べさせる。イネ科が好物のクサツネも、本物の稲を食べられる機会はそうそうない。 pic.twitter.com/Cusm0zdJkh
— 太郎丸 (@taromar_u) November 5, 2023
日本に帰国される前、イラン/トルコ/モロッコと旅をされていた記録です。
人が理解できる言葉になってないからって、感情がないわけじゃない(当たり前。
ロバに限らず使役動物って荷物運んだりとか仕事させられてるじゃないですか、黙って大人しく仕事してるじゃないですか。
当然ながら、好きでやってるわけじゃないんですよね。
ロバが愚か者と言われるのは頑固だからだそうで、つまり人の言うことを素直に聞かないから。御し難い動物だから。
人の言うことを素直に聞くのが美徳なのですよ、人の世界では。
文句言ったらダメなんですよ、愚か者扱いされちゃうんですよ。
イランで高田さんが買ったロバは、たった3日で死んでしまいました。死因は「マンデーモーニング病」、環境の変化によるストレスが原因だそうです。
そして、馬もですけど進ませるためにお尻をムチで打つじゃないですか。なんでお前に叩かれなあかんねん、って態度をとるんですって。
高田さんはあまりに無自覚に尻を叩いていたことに気づき、叩かないと決めたそうです。
知らない土地を旅して不安なのはロバも同じ、慣れない環境に情緒不安定で鳴き叫びます。うるさいと文句を言われます。
しかし。
その声をとめるには、不安をなくすしかないのです。
ここまで読んで、気持ちを声にしたがために理不尽に抑えつけられている人達のことが思い起こされました。
嫌なことは嫌と言うのが当たり前。
鎮まらない気持ちが叫び声になるのも当然。
そんな当たり前、当然のことが許されていない、可哀想な使役動物は、拘束や鞭で無理矢理黙らせられていますが、そんなものがなくても自ら口を閉ざしているあなた。
あなたはロバより可哀想。
荷物を背負わされて
気持ちを口に出したら誹られて
安心できない環境で恐怖に身を震わせて
あなた、可哀想
生まれつき気持ちを言葉にできない人などいません。
何かがあなたから言葉を奪ったのです。
気持ちを外に出すという手段を奪ったのです。
そして、出さないとわかってもらえないのです。
気持ちを外に出さないあなたを、無理解な周囲は気持ちのない人として扱います。
気持ちのない人として扱われ続け、あなたは気持ちを失ってしまいます。
重い荷物も平気なフリをして運びます。鞭で叩かれることも受け入れます。
それであなたが傷ついているなんて、みんな思ってもいないから。
重いものは重い
痛いものは痛い
ただ、そうやって訴えるだけのことなのに。
それが出来ていない事に、気づいていますか?
ロバより可哀想なあなた。
🫏
モロッコについて、高田さんはロバを手放します。
人間の勝手で生きる環境がコロコロ変わるロバ。
ここで落涙してしまいました。
イラストレーターの内澤旬子さんの言葉が引用されています。
私たちが一方的に操り、支配し、利用するのではなくて、家畜たちが、許してくれるからこそ、乳を搾ったり、背に乗って走らせたりできるのだ。私たちは、動物に許されて、譲られて、勝手をしている。「使役」なんておこがましい。
人と人との関係も、許されて譲れているからそ成り立っているもの。
勝手な扱いを双方に許してはなりません。
許して、譲って、許されて、譲られて。
どうぞ、ご自分を大切に。
嫌なことは嫌と、痛いものは痛いと、それをちゃんと言えることが必要なのです。