昨日も不倫の相談がいくつかありましたが、ほんと、男の言うことって同じだね。
奥さんとは別れるって言ったのに、もう破綻してるって言ったのに、等々。
昨日は献血ルーム年内最終日、鬼係長からお土産もらって、今日はまっすぐ帰りまーす、と言いながら
ルームを出た10分後に飲み屋にインした私を許してください。
老舗の大衆居酒屋金盃森井本店です。
店内には大正時代のグッズとか飾られています。
日本酒がメインのお店なので、こんなとこでチューハイとかハイボールとか頼みにくいな(メニューにはあったけどさ)と思い珍しく最初からポン酒で。
チビチビ飲んでたら、すっかり出来上がってるリーマン姿のおっさん(50代後半、60代前半っぽい)がやってきました。
この時間でこんだけ出来上がってるなんて、と思ったら、今日はお休みで早い時間から飲んでいて、
職場の後輩とここで待ち合わせなんだ、と聞いてもいないのに勝手にベラベラ喋ってくれました。
まとめられないので、以下、会話の羅列。
わし、友禅の絵付けやっとったんやで。
えー、マジっすか
その大島もどき、ええなあ
あ、もどきってわかりますか
(やばい、ほんとに着物を見る目がある人だ)
と、着物談義が続いたのですが
ほんまは油絵が専門やねんわし、ムサビ出てんねんで
えー、ほんまですか!!(この年でムサビってすごいなー)
バッグから出歯亀、いや、デジカメを取り出し、撮影された作品をいくつか見せてくれました。
どっかの神社に奉納したって作品も。うわ、ほんまに画家なんや。
震災のあと食っていけなくなって、仕方なくリーマンもやってるそうです。
バッグの中にスケッチブック発見。それ、見せてくださいよっ、とお願い。
えー、しゃあないなあ、と言いながらバッグからスケッチブックを取り出してくれました。
うわ、ほんまにマジの画家さんの絵です。酔っぱらいが吹かして言ってると思っていた私を許してください。
パラパラ見ていたら、1枚の絵に目がとまりました。
これ、くださいよ
何ぬかしよんじゃ、ワシの絵、号10万以上するんやでっ
ウソつけ、と腹の中で思いながら、いいじゃないですかー、くださいよー、と1枚ビリビリとやぶって取ろうとしたら、
あかん、あかん、やるのはいいけど、絵はさむもん、なんか持っとんか?
そのままグチャグチャで持って帰るのだけは許さんっ
えー、どうしよう、今日に限ってバッグの中にクリアファイルの1枚もありません。
そしたら離れたとこで飲んでたほかのおっちゃんが、これ、やるわ、と言って、
バッグの中からクリアファイルとりだして、中にはさんでた書類を抜き取ってファイルだけ渡してくれました。
ありがとうございます、とおっちゃんにお礼。これでいいでしょ、絵くださいよっっ
もう、かなんなー、しゃーないなー、とあきらめたのか、バッグの中からペンケースを取り出して、
その中にはひととおりのスケッチの道具がはいってましたが、で、鉛筆をとりだして絵にサインを書いてくれました。
ハンコないんですか?
さすがに雅号印まで持ち歩いてへんわ、なんでこの絵がよかったんや?
私、桔梗好きなんですよー(桔梗は私にとって特別な意味のあるものなのです)
これな、県庁の上の庭で描いたんや
え、相楽園ですか?私も相楽園で桔梗を見て、桔梗に対するイメージ変わったんですよっ
ああ、そうか、あそこの桔梗は、ちょっとちゃうもんなー
きりきりしゃんとして咲く桔梗かな、ってありますよね
おおっ、一茶か、ねえちゃん、俳句するんかっっ
いえいえ、桔梗好きなんで、この句だけ憶えてるんですよ
「大阪ハムレット」というマンガがありましてですね、
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そこで読んで知ったのですよ。俳句などまったく縁がありませんが、こういうトリビアって飲み屋での会話に役立つわー。
しかし、さすが画家さん、一茶の句ってすぐにわかるんだな。
そこから俳句好きだというほかのおっちゃんも参入してきて、またまた大盛り上がりとなったのでありました。
こういうことがあるから、飲み屋通いはやめられないんだな。
この画家さんをググってみましたが、どうにも見つけられませんでした。号10万ってのはきっと過去のことなのだろうな。