公務員の20代女性。私は独身で、結婚願望も、子どもを持ちたいという気持ちもありません。母には以前、「結婚はしないかもしれない」と伝えましたが、母はその後も結婚や出産を期待していることをほのめかします。私が趣味の旅行の話をすると、母はあきれたようにため息をつきます。結婚や子育てをしている同世代と私を比べていることが伝わってきてストレスです。
親には十分な教育の機会を与えてもらい、金銭面での苦労もなく、人並み以上の愛情を注いで育ててもらったと感じており、感謝しています。しかし、結婚や出産をするかどうかは、「親のため」という理由ではなく、自分の考えに基づいて決断したいです。
一方で親を突き放すのも酷に感じ、何とかうまくやっていきたいです。親の意向を無視して自分の人生を歩もうとするのはわがままですか。(長崎・S子)
あなたの罪悪感を消滅させる
ヨシヨシする人ヨシヨシスト
いまぷ です。
結婚や出産を「親のため」ではなく、自分の考えに基づいて決断したいというS子さんのお考え、ごもっともです。
「親に孫の顔を見せるため」に結婚を望まれているという方もいらっしゃることを思えば、なんとしっかりとご自分の人生に向き合っていらっしゃることでしょう。
「我儘」とは、本来、「自分の思いのままに」という意味です。
自分の思いの通りに行動することをそしられるって、なんて忖度万歳な世の中なのでしょうね。
この気持ちを考えずに、自分の思いを押し付ける親だって「我儘」です。
お互いが我儘をしあえばいいじゃないか、と言いたくなるところですが、親子の関係においては親が子より圧倒的に有利です。
子の方が親により忖度を求められるということが、「家」を重んじる価値観の世界では当然となっています。
親への忖度が求められているということは、親の思い通りの子でいることは、子にとっても自己実現の機会となります。
ゆえに、子は親の価値観に擦り寄ろう擦り寄ろうとするのです。
親の思いに沿えないことで、罪悪感を抱いたりしちゃいます。
S子さんはこの瀬戸際にいらっしゃるのではないかと。
本来、親は子の幸せを願うものです。
その「幸せ」が、自分基準になってしまっていることに気づけていない親の多いことよ。
S子さんのご両親も、沢山の愛情を注いでくれて、自分たちと同じように結婚して親になる道が幸せである、そう思っていらっしゃいます。
それがS子さんの望むものではなかったとしても。
お互い、相手の幸せを願っているのに、その「幸せ」のイメージが異なることがすれ違いの原因ですね。
さ、そのすれ違いをどうすればいいか、サイコロさんに尋ねてみます。
🔸本卦:沢雷随 初爻
偏った付き合いではなく、広く人と交わる
🔸裏卦(自分の本音):山風蠱
🔸賓卦(相手の本音):山風蠱
行くところまで行けば、自然と良い方に刷新される
🔸互卦(解決策):風山漸
礼にかなった正しいやり方で、順を踏んで少しずつ進んでいく
🔸之卦(未来):沢地萃 初爻
自分の正しさだけを主張するのではなく、距離を近づけるための努力を続けていく
人との関係を繋いでいくことはキャッチボールと同じです。
相手が返せる球を投げる、受け取ったら投げ返す、たまには暴投もある、明後日の方向に飛んでいった球を追いかける。
続いていればいいのです。
そしてS子さんの気持ちに影を落としているのは、同世代と比べられていることではなく、親の望む子でいられないことなんですよ。
お母さん、ごめんね、お母さんの望む幸せを選択することができなくてごめんね。
そうやってご自分を責めていらっしゃるのです。
S子さんの思いを遂げることがお母さんの否定になる、自分の「我儘」かお母さんへの「忖度」か、二者択一状態です。
まだ20代とお若いS子さん、これから結婚や家庭への考え方がいかようにも変わる可能性はあります。
現時点では視野に入っていない選択肢との巡り合わせもあるでしょう。
今しばらく、どんな道があるのかな?と、キョロキョロしながら進まれてはいかがですか?
回答は小川 志(哲学者)さんです。
ただし、この場合の理想化とは、絵画鑑賞のごとく粗が見えないちょうどいい距離に立つことを指しています。たしかに、ちょうどいい距離で眺めた時、初めて、絵画は理想的な姿として立ち現れます。
それと同じで、親の理想に合わせるのではなく、かといって自分の理想を当然のように突きつけるのでもない。そんなちょうどいいスタンスが、人生を理想的にするというわけです。
分かれ道、どちらを選ぶか、その選択の機会はいくらでもあります。
メールマガジン読者登録いかがですか
ブログには書けなかったことを深掘りしております。




