相続なし　親の愛感じられず［読売新聞人生案内］

2025-04-28

５０代の女性教員。先日父が亡くなり、母に「大学に行かせてやったから、相続はなしで」と言われました。

当時経済的に大変厳しいなか、私だけ大学の学費や一人暮らしの費用を出してもらったのは事実。私も相続放棄するつもりでしたが、言われたことがショックで気持ちのやり場がありません。相談の場にも呼ばないと言われ、仲間外れにされたように感じました。

玄関の表札は名前が、父、母、祖母、弟、姉、私の順。２人目は男の子が欲しかったのだろう、私はいらない子だと思って生きてきました。愛されていなかったとの思いを否定してほしかったのに。

昔からさみしい思いをしてきたと母に伝えるべきでしょうか。でも伝わらず、取り合ってもらえなかった時が怖くて、言えそうにありません。恨みつらみは黙ってのみ込む方がよいのでしょうか。（栃木・Ｎ子）

こんにちは
あなたの罪悪感を消滅させる
ヨシヨシする人ヨシヨシスト
いまぷ　です。

Ｎ子さんの相談文を読ませていただいて、「物事は自分の視点だけで見てはいけないな」と自戒させられました。

どんな物事にもネガとポジ、メリットとデメリットがあるように、自分以外の視点、視線がある。

Ｎ子さん以外の姉弟の皆さんは、Ｎ子さんだけが進学できたことにどのように感じていらっしゃったことでしょう。

姉弟さんたちも、自分たちは大切にされていないと思われたかもですよ。

お母さま的には、姉弟さんたちからの不満の声が上がることを防ぐための配慮なのではないでしょうか。

相続のことと、表札の件は分けて考えてくださった方がいいです。

旧態依然とした家父長制の日本では、男子が尊ばれるのは当たり前のことでした。

名前の順番にさしたる意味はなく、昔ながらの習慣にのっとっただけのことでしょう。

だから、寂しいなんて思わないでください。

というのは、言い聞かせでしかありませんね。

親の意図するところはともかく、Ｎ子さんが「さみしい思い」を抱いてこられたというのは事実です。

その思いをお母さまに伝えるか否かというご相談ですが、コネクトロン的にはオススメしません。

望んだものが返ってこなかったら、より傷ついてしまうからです。

自分のことを傷つけたと感じている相手に、自分の思いをぶつける前に、まずは「ヨシヨシ」をしていただきたいです。

しかしここは人生案内の場、コネクトロンをよくご存知ない方に「ヨシヨシ」の何たるかをわかっていただくにはかなりの字数が必要となりますので、お母さまに気持ちをぶつけることの可否をいったんサイコロさんに尋ねてみます。

🔸本卦：地沢臨初爻

自分の志の正しさをわかってもらいたい

🔸裏卦（自分の本音）：天山遯

ひとまず退いて、時機を見る

🔸賓卦（相手の本音）：風地観

上のものと下のもの、それぞれが相手を敬いつつやるべきことをやる

🔸互卦（解決策）：地雷復

立ち戻ったところから再スタート

🔸之卦（未来）：地水師初爻

物事を始めるにあたり、いろいろ律しておかねばならない

易を参考にいまぷならこう答える

思いを伝えて望むように受け取って貰えないと傷ついちゃいますよね。

ですから「思い」ではなく「事実」のみを伝えましょう。

「表札の名前の並びはどうして私の名前が最後なんだろう？ってずっと不思議だった」と。

どうして生まれた順番の「姉、私、弟」ではなく、「弟、姉、私」だったの？と。

お母さまからどんなものが返ってくるか、想像するしかありませんが、「そういうものだったのよ」というものではないでしょうか。

長男を先頭にするのが当たり前だった、ぐらいではないでしょうか。

再度。

相続のことと表札のことは別物と考えてください。

お母さまのＮ子さんへの対応は、あくまで姉弟さんたちの不満を防ぐためです。

それに気付けると、物事の見え方が変わってきませんか？

不満にフォーカスすると、既に手にしているもののありがたさが消えてしまいます。

大学に行かせてもらえた時のことを思い出してみてください。

「自分だけ」と、ありがたくも申し訳なさも感じられたことでしょう。

念のために。

これは「大学に行かせてもらったんだから遺産はいらないじゃないか」と言い聞かせるのではありません。

過去に受け取ったギフトのありがたさを、再認識していただくということです。

もしも、もしもですよ、大学入学直後に相続の話があったら、「私は大学に行かせてもらえたから」って思えたかもですよ。

尋ねるのが怖かったら逆に、「私だけ大学に行かせてくれてありがとう」と先手を打つのもありです。

回答は海原純子（心療内科医）さんです。

ただ、あなたがさみしい思いや仲間外れにされたような思いをしてつらかったことは母親に伝えてよいのでは。あなたが本当に伝えたいのは、恨みつらみではなく、愛されている実感がなくさみしかったという感情ではないでしょうか。素直にそれをお伝えになればと思います。母親はお仕事を持ち、自立して社会に貢献しているあなたを内心誇りに思っているはずです。

気持ちは「内心」に留めてちゃもったいないですね。ちゃんと相手に渡さないとね。