70代のパート男性。私は生まれつき間の悪い人間です。エレベーターにはタイミングよく乗れません。買おうと思っていたパンは、最後の1個を目の前でほかの人が取ってしまいます。
ハトのフンが頭に落ちたり、誰もいないと思って歩きながらおならをしたらすぐ後ろに若い女性がいたりしたことも。若い頃、たまたま無断で5分ほど早く退社しようとしたら、めったに会わない社長と玄関で鉢合わせしたこともありました。
順番にこだわりすぎかもしれませんが、少しでも後回しにされると腹が立ちますし、無愛想な店員には嫌味を言いたくなります。こんなことばかりで毎日イライラが募ります。
経済的な心配はなく、子や孫ら家族、友人には恵まれていますが、間の悪い人間として生きるのはもううんざりです。日々のイライラを乗り越える方法はありますか。(神奈川・D男)
あなたの罪悪感を消滅させる
ヨシヨシする人ヨシヨシスト
いまぷ です。
D男さん、すごいですね!
間(ま)という時空を超えたものをコントロールできているのですね!!
ご自身を悪い間、悪い間へと導いていらっしゃる、なんという能力者か。
どうせなら良いタイミングへと繋げることができればいいのに、そこまでの能力はないということなのでしょうか。
いや、それとも、あえて悪い間へとご自身を導いていらっしゃるのか。
いずれにしても、すごい能力です。
雨男/雨女と近しいものがあるかな?
雨男/雨女も、雨を降らせることができる。
しかし!
水不足の時に降らせる能力はないのです。
晴れて欲しい時にばかり降らせるという、なんという禍々しい能力でしょうか!
そして、「あんたらのせいで雨降ったやんか」と罵られるのです。
いわばスケープゴートです。
雨が降ってほしくない時に降ったことの、鬱憤ばらしの対象となっているだけなのですよ、雨男/雨女さんは。
雨男/雨女のせいで雨が降るって、それ、ただの認知の歪みです。
だってさ、誰が雨を降らせることができるのですか。
D男さんが「間が悪い」というのも同じです。
D男さんに間をコントロールする力などありません。
それは「たまたま」なのです。
「たまたま」であるということは、対策が立てられないということです。
ハトにフンを落とされないようにするには、どうすればいいか。
上ばかり見上げておけばいいのか。
そんなこと、できないじゃないですか。
対策を講じられないということは、同じ災難に見舞われる恐れがあるということです。
しかし、回避できない、悔しい、むかつく。
その鬱憤ばらしを、スケープゴートに対してしているのです。
「雨男/雨女」、「間が悪いマン」というものを作り上げて。
「〜のせいで」という原因作りをしたいだけなのです。
なぜ原因作りをしたいのか?
人は原因不明なものに対して「自分が悪いせいなのか?」と思いがちだからです。
ほらー、いるじゃないですか、箸が転がっても自分が悪いんだと思っちゃう人。
いつも自分をいじめる子に対して、「○○ちゃんなんかバナナの皮で滑って転んでしまえ!」と思ったとしましょう。
そして、○○ちゃんが雨で濡れたタイルの上で滑って転んだとしましょう。
私のせいだ!って思っちゃうんですよ。
「たまたま」濡れたタイルで滑っただけだ、そう思えないのです。
はい、これを認知の歪みと言います。
人をバナナの皮で滑らせる能力なんかあった日にゃあ、軍事利用されかねないですよね!!
D男さんはご自身に対して不利益な結果をもたらすものに対し、対策を講じることができないので「間が悪いマン」という架空のモンスターを生み出したのですよ。
いくら架空のモンスターとはいえ、間が悪いことを全て「間の悪いマン」のせいにしていると、架空のモンスターも実際の影響力を持ちかねません。
それは「自分は間が悪い」というビリーフ(思い込み)となります。
このビリーフの怖いところは、いくら間が悪くないことがあったとしても、「どうせ俺は間が悪いから」という決めつけのせいで、せっかくの良いことを見えにくくしてしまうことなのです。
占いって、当たったことしか覚えてないっていいますよね。
外れたこと、都合が悪いことは亡き者とされてしまうのです。
それと同じです。
D男さんは365日ハトにフンを落とされているわけではないでしょう。
しかし、たとえ1年に1回のことであったとしても「また、やられた!俺は本当に間が悪い」というイメージが上書きされていくのです。
間が悪いマンに退散していただくためにはどうすればいいか。
これはありがちな手段ですが、「いいこと日記」などをつけていただくことがオススメです。
「間の悪いこと」にばかりフォーカスされているD男さんの視線を、「いいこと」にむけていただくのです。
いいことをピックアップしていけば、「なんだ、自分の人生って間が悪いことばかりじゃないな」と気づけるでしょう。
「間が悪いマン」にはお役目終了してもらいましょう。
回答はいしいしんじ(作家)さんです。
「アフター・ユー」と、自分から順番をゆずるのは、決して失うことでない。あなたのなかに、確実に、あたたかなふくらみが残る。
LOVEを手渡すと同時にあなたは、一期一会の相手とLOVEを分けあっている。
は、鳩は?鳩のフンについてはなんて思えばいいの??
