看護師の40代女性です。一般的には年齢を重ねると、「おばさんになってずぶとくなる」と言われますが、私はこの年齢になっても感受性が子どものままのようで変わりません。
例えば、実家から自宅へ帰るとき、親や兄弟と離れることに寂しさや悲しさが募ってしまい、いまだに帰りの電車の中でしくしく泣きながら過ごすことがあります。
もしかすると私が独身で、ひとりぼっちを痛感してしまうからなのかもしれません。
仕事では医療に関わって命の現場で働いているため、人の死に直面して激しくショックを受けてしまい、何日も引きずることが多々あります。
この年齢になっても、なかなか感覚が鈍磨しません。繊細な自分とどのように付き合っていけばよいでしょうか。(東京・K子)

あなたの罪悪感を消滅させる
ヨシヨシする人ヨシヨシスト
いまぷ です。
アンデルセンの童話の一場面のように、K子さんが流す涙は腕利きの画家がさぞかしキラキラとした美しいものに描きあげてくれることでしょう。
人の悲しみに寄り添って涙を流し、その涙で人は救われる、そんな力を持った妖精のようです。
美しい物語に浸りたいところですが、妖精ではない生身の人間のK子さんがどうしたらこの世知辛い世を少しでもストレスなく生きていけるか、サイコロさんに尋ねてみます。

🔸本卦:風雷益 三爻
メリットを得るためのデメリットが大きいが、それを乗り越えれば得るもの多し
🔸裏卦(自分の本音):雷風恒
続いているものは正しいもの、正しくなければ続かない
🔸賓卦(相手の本音):山沢損
他者のためなら自分は損をしてもかまわない
🔸互卦(解決策):山地剥
自分に抱えられるだけの量にとどめておく
🔸之卦(未来):風火家人 三爻
寛容すぎるよりは厳しめくらいの方が良い

気持ちのままに涙を流すことを許されて育つことができたK子さん、なんという幸せものでしょう。
それを優しく見守ってこられたご家族、おウチの温かい空気が伝わってくるようです。
K子さんを苦しませているものはご自身が繊細であることではなく、「繊細であってはいけない」という世間の考えです。
子どもが転んで泣いているところを想像してみてください。
泣いている子に駆け寄って抱き上げたあなた、子どもになんと声をかけますか?
痛くない、痛くない
↑ これが一般的かと思われます。
痛いものを「痛くない」と思わせる魔法の言葉です。
そうですね、効いてない麻酔だと思ってくださってもいいでしょう。
麻酔効いてないのです、でもドクターは「もう痛くないですからね」と言うのです。
痛いと思う私が間違っているのかしら?
痛くない、痛くない、必死で言い聞かせます。
痛いんですけど。
「痛くない」という魔法がちゃんと機能すればいいのですが、そうでない場合には「痛いと思う私がダメ」感だけが残されます。
K子さんは小手先の魔法になど騙されることなく、「痛いもの」を「痛い」と感じることを許されてきた幸せな人なのです。
しかし、世知辛い世間は「痛い」と思うことを許してくれません。
痛くないだろ?
痛いはずないんだけどな?
そう、たたみ込んで感情のまま涙を流すことを許してくれません。
泣いていいんだよ
痛かったよね
そう言葉をかけられたなら、K子さんもご自分が「繊細すぎる」などと悩まれることはないのでは?
鶏が先か卵が先かわかりませんが、今のK子さんには「繊細であってはいけない」というジャッジが強すぎるように感じます。
まずは「繊細でもいいんだよ」と自分を許すことをなさってください。
世間は思っていたほど世知辛いものではないことに気づかれるでしょう。
「いつでも気持ちを出していいんだ」という安心感は、K子さんの気持ちの袋の容量を大きくしてくれます。
堪忍袋の容量をアップしましょう
「繊細すぎる」などと自分を責めなくてよくなりますよ。
回答はいしいしんじ(作家)さんです。
ひとりぼっち、とあなたは書く。本当にそうか。あなたのまわりは、あなたがあなたのままでよかった、と感じているひとで 溢 あふ れている。
くりかえし書く。あなたはひとの幸福を映す鏡なのだ。
感覚を鈍麻なんてさせなくていいんですよ。自分に負担のない出し方ができるようになればいいだけのことです。
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