昔の不倫相手　忘れられない［読売新聞人生案内］

2025-05-05

５０代の男性会社員。１０年ほど前、短い間ですが不倫の関係にあった職場の同僚が忘れられません。

家庭ではきっちりした性格のパートナーにさげすまれていたため、一緒に食事や外出をするのが楽しく、心が穏やかになりました。私の単身赴任が終わるとともに再会を誓って別れたのですが、後にパートナーに露見。再び会うことはかなわなくなりました。

その後も忘れられず、毎日のように夢に見てしまいます。そんななか、彼女が結婚したと別の同僚から聞きました。祝福の気持ちとともに、とても悲しく、胸が締め付けられ、２日間寝込んでしまいました。

これではいけないと思いますが、会いたいという思いが募るばかりです。一方で、今後の人生を考えると離婚も考えられません。

どうすればこの思いを断ち切ることができるでしょうか。（東京・Ｔ男）

こんにちは
あなたの罪悪感を消滅させる
ヨシヨシする人ヨシヨシスト
いまぷ　です。

目の前の問題を「因果」の「果」とするなら、原因である「因」は必ず過去にあります。

「不倫相手への思いを断ち切ることができない」というＴ男さんの目の前の問題、その原因を過去に探るなら、相談文でわかる限り「パートナーにさげすまれていた」ことではないでしょうか。

「パートナーにさげすまれていた」から、心を穏やかにしてくれるものを妻さん以外に求めてしまった。

Ｔ男さんが見直すべきものはパートナーとの関係ではないですか？

なぜパートナーにさげすまれるようになってしまったか、なぜ自分をさげすむ人をパートナーに選んでしまったのか。

ここに向き合うことで、不倫相手さんへの思いは整理できるはずです。

その前に当然、パートナーさんとの関係も整理する必要があるでしょうけれど。

＞今後の人生を考えると離婚も考えられません

離婚によってどんな問題があるのでしょう、お子さんがいらっしゃる？経済的なこと？世間体？

たとえパートナーさんに非があったとしても、Ｔ男さんにはパートナーさんへの誠実さを欠くものしか感じられません。

離婚が考えられないのなら、さげすまれられなくなるのがベストだと思いますけど。

自分を他者から「さげすまれる」立場に置き続けるというのは、自分を大切にしているとはとても言えないですよね。

Ｔ男さんが「自分を大切にしない」という目的のために、パートナーさんから「さげすまされる」という手段を使っているとも言えます。

ということは、Ｔ男さんが自分を大切にすると選択されれば、パートナーからさげすまれることはなくなるのです。

それが「パートナーと袂を分つ」という手段かもしれませんよね。

Ｔ男さんがどうすれば自分を大切にすることができるか、カードに尋ねてみます。

🔸ブロックしているもの「期待」

口を開けて誰かに何かをしてもらうのを待っている状態

🔸では、どうするか「信頼」

辿り着きたい場所を設定し、「自分は必ずそこに辿り着ける」という自信の根拠となる行動をする

🔸得られるもの「恵まれた才能」

未だ発揮されていない、ものすごい才能が眠っている。いわば宝の持ち腐れ状態。

🔸現状/未来「愚者」

世間体やしがらみを気にせず自由に振る舞うことによって、可能性を広げていける

カードを参考にいまぷならこう答える

Ｔ男さん、他者評価に自分を委ねることが多くないですか？

周囲の言葉に一喜一憂しすぎてしまう。

相手にはそのつもりなどないのに、勝手に「ジャッジされた」と傷ついてしまう。

それはもちろん「無条件に肯定された」という経験の乏しさゆえです。

誰に肯定されなかったのか、誰から受け入れて欲しかったのか。

パートナーさんはＴ男さんを肯定しなかった人の再現です。

不倫相手さんは、Ｔ男さんが欲しかったものを与えてくれる人です。

Ｔ男さん、本当は誰から認められて、誰に受け入れて欲しかったのでしょうね。

それがわかると、パートナーさんや不倫相手さんはＴ男さんにとって単なる「本来の相手」の「身代わり」であったことに納得していただけます。

不必要に傷つけられたり、すがったり、しなくてよくなります。

回答は小川仁志（哲学者）さんです。

それは、人が自らを物語の中に位置づける物語的自己同一性という概念です。私たちは、自分という存在を物語の中で構築してしまう生き物なのです。偶然の出来事をあたかもつながりがあるかのように結びつけ、人生を物語にしてしまうということです。そして時に独りよがりな物語を構築し、その中で勝手に苦しんだり、人に迷惑をかけてしまったりすることすらあります。だから周囲から見ればおかしいことも、物語の中にいる自分には見えないのです。

Ｔ男さんが主人公の物語は、「自分は愛して欲しい人から愛されない」というストーリーなのかもしれませんね。